2005-10-01から1ヶ月間の記事一覧

剛体の重心

ある領域 D ⊂ 上の密度分布 μ が与えられたとき、D の重心の座標は で与えられます。特に密度が一様の場合は で与えられます。さて、先日雑談掲示板に質問のあった 密度が一様で半径 r、中心角 2α の円弧の重心は円の中心から の距離であることを示せ。 につ…

サイバーグ・ウィッテン理論

かつての 4 次元トポロジーは、ドナルドソンの仕事によるところが大きく、それによって多くの結果が得られてきました。しかし最近になって、「サイバーグ・ウィッテン方程式」と言われる方程式を調べることによって、4 次元トポロジーは飛躍的な発展を遂げ、…

指数関数は急速に増加する

良く「指数的に増加する」という言い回しをしますが、これは急速な増加の状態を指しています。では指数関数は一体どのくらいのスピードで増加するのでしょう ? で試してみましょう。 例えば、 がどのくらいの大きさの数なのか、大雑把に計算してみます。真剣…

キーワード編集

やっとのことで「ホモトピー」「ホモトピー群」の二つのキーワードを編集。これをやっておかないと、変な単語に引っかかるもので…。

0 で割れない理由

良く、「0 で割ることは出来ない」と言いますが、その説明のしかたは様々です。ここでは、私なりの説明をしてみます。*1 ある数 x が 0 で割れたとして、その答を y としましょう。すると となります。従って、両辺に 0 を「掛け」て となります。従って、あ…

これではてなダイアリー市民

今日のこの記事で、ちょうど付け初めからの日数が 30 日に達します。ということで今日から私もはてなダイアリー市民、ということになります。

「考えること」の大切さ

数学を嫌う人が挙げる、もう一つの理由に「暗記が通用しない」というものがあります。 なるほど、若い頃は記憶力もあるし、数学のような考える教科よりも、英語のような暗記力である程度のレベルに達することが出来る教科の方がいいのかもしれません。 しか…

Yes or No だから面白い

数学を嫌う人が理由に挙げるものの一つに、「答が一つしかないのはつまらないから」というのがあるようです。 しかし、落ち着いて考えてみれば、それは「真実は常に一つ」ということの証明でもあります。 政治や経済の世界は、数学と違って、「最善の答」と…

負の数

中学になると「負の数」というものを教わります。0 より小さい数、というのは一見不思議なように思えますが、0 を中心として左と右を区別しているようなもので、それほど特別なものではありません。 しかし、負の数が受け入れられるまでには紆余曲折がありま…

「円周率」は中国産 !?

皆さんは π = 3.14159265… を「円周率」として認識していることと思います。しかし、諸外国には、この「円周率」に相当する言葉がありません。実は π を「円周率」と呼んだのは、中国が最初なのです。π が円の周の長さと直径の比になっていることはずっと前…

1 + 1 は何故 2 か

"1 + 1 = 2" という事実を、私達は、さも当たり前のように考えています。しかし、「どうして ?」と聞かれると、多分答えられる人は少ないでしょう。 一つの見方として、"1 + 1 = 2" は "2" の定義である、という考え方があります。以下順次 2 + 1 = 3 , 3 + …

数学界における日本人

数学者、と聞くと、どうしても海外の数学者を思い浮かべることが多いと思いますが、日本にも結構歴史に残る活躍をしている数学者がいます。 例えば、環論における「中山の補題」や圏論における「米田の補題」、また、フェルマーの最終定理の証明にもその一部…

二つの「超関数」

数学では「超関数」と呼ばれるものが 2 種類存在します。一つは Schwartz によるもの、もう一つは佐藤幹夫氏によるものです。しかし、両者は全く違う概念に基づいて考えられており、英語にすることで両者の違いがはっきりします。 Schwartz の超関数は、英語…

順序を入れ替えると

昨日の記事中の についてですが、ここでちょっとした手品をお見せしましょう。*1 まず、両辺を 2 で割ります。 一つおきに 0 を挟んでも和は変わらないので これを最初の級数に足すと 0 となる項を取り除けば あら不思議、これは元の級数の順序を入れ替えた…

収束の遅い級数

有名でありながら、収束が遅く、実用的でない級数がいくつかあります。例えば はいずれも有名ですが、収束が遅いため、実際の計算に用いられることはありません。π の計算方法としては、例えばマチン(Machin)の公式などが有名で、他にも何通りもの計算方法が…

最近やっていること

最近、素因数分解に没頭しています。差し当たり、2000 くらいまで何とかしたいなと思っています。 素因数分解は、小さい数であれば、理屈さえわかれば小〜中学生でも出来ます。それを何故、今ころやっているのか ? 有限群の位数が与えられたとき、その位数が…

「理想数」から「イデアル」へ

という環の中では という、二通りの素元分解が出来ます。従って、は、環論で言うところの「一意分解環」ではありません。そこで、 となるような「理想の」数があれば、 と分解できるのではないか、と考えられていました。これを本当に実現してしまったのが、…

Fourier 変換の流儀

Fourier(フーリエ)変換は、数学に限らず物理や信号処理など、様々な分野で応用されますが、その分野によって、Fourier 変換の流儀は様々です。 現代物理学 古典物理学 (純粋)数学・システム工学 信号処理 より一般化して、 という Fourier 変換も定義できま…