2010-08-01から1ヶ月間の記事一覧

位相空間を様々な方法で定義する(その 7・最終回)

近傍系を与えることによる定義(続き) 示すべきことは です。まず とします。このとき なので は (*) を満たします。すなわち が成り立ちます。そして なので 2. により . 故に が成り立ちます。ここまで、近傍の性質の 2. と 3. しか用いてないことに留意し…

位相空間を様々な方法で定義する(その 6)

近傍系を与えることによる定義 今、 の各点 に対して、空でない の部分集合 が与えられていて、次の性質を満たすものとします。 全ての に対して . で ならば . ならば . 任意の に対して、次の条件を満たす が存在する : の任意の点 に対して . これらの性…

位相空間を様々な方法で定義する(その 5)

閉包作用子を与えることによる定義(別法) 閉包作用子を与えて位相を定める方法としては、別の方法があります。その前に、一般に X に開集合系が与えられているとして、次の事実を証明します。 定理 証明 だから は を含む閉集合である。 を閉集合で とする。…

位相空間を様々な方法で定義する(その 4)

閉包作用子を与えることによる定義 今度は閉包作用子を与えることによって、そこから閉集合系を再現してみましょう。閉集合系を再現できれば、自動的に開集合系を再現できるので、位相が定まります。まず閉包作用子の性質を見てみましょう。 ならば このとき…

位相空間を様々な方法で定義する(その 3)

開核作用子を与えることによる定義(続き) 先のようにして作られた開集合系から開核作用子を再現したとき、それが元のものと一致することを見なければいけません。さて、 は 2. そのものです。また 5. から がわかります。また、 ならば、 の定義と 3. から …

ある定積分と ζ(2)

ちょっとコーヒーブレイクを。 とします。 ですが、ここで と置換すると , すなわち となります。そこで両辺の が 1 から までの和をとって となるので と、 関数が 関数と定積分で表せます。ここで とおけば .

位相空間を様々な方法で定義する(その 2)

開核作用子を与えることによる定義 開核作用子は以下の性質をもつものでした。開核作用子の与えられた空間を とします。 ならば そこで、 の開集合系 を で定義します。これが開集合系の定義を満たすことを示します。まず 1. により であり、2. から なので …

位相空間を様々な方法で定義する(その 1)

一般に、現代数学では位相空間を定義する際に開集合系を与えるのが慣例になっていますが、それ以外の方法でも位相空間を定義できることを以前お話ししました。今日からしばらくは、それらが全て同等であることを見ていきます。 閉集合系を与えることによる定…

意外な数学者

秋葉忠利・広島市長はご存知の方も多いと思いますが、実は id:yoshitake-h さんによると 彼は, かつてサトウ・ハジメ先生, 故カワクボ先生とともにトポロジー三羽烏と称された数学者でもあり, 佐武一郎「線型代数学」の序文にも登場する. とのこと。調べてみ…