2010-10-01から1ヶ月間の記事一覧

カオス現象(その 3・最終回)

いきなりですが次の画像をご覧ください。これは先程と同じ を、 を 3.8 から 3.9 まで 刻みで動かして同じように挙動を調べたものです。くっきりと 3 周期点が見えますね。実はこの周期 3 こそが全ての(とまでは言いませんが)正体です。一般に、離散力学系 …

カオス現象(その 2)

前回導き出した漸化式 がどんな挙動をするのか、論より証拠、次の画像を見てください。これは、初期値を として、横軸に を取り 0.001 刻みで動かし、十分大きい から先の の値を 100 個プロットしたものです。最初のうちはある値に収束していくことが見てと…

カオス現象(その 1)

… (*) という微分方程式を考えてみます。これは 1 階の微分方程式で変数分離形なので解析的に解くことができます。実際、初期値を とすると となります。ところで、(*) を Euler 法で近似的に解くことを考えてみましょう。微小の刻み幅 を固定して考えると …

有限値に収束するが、微分が収束しない関数

級の関数 があって のとき、直感的には になりそうな気がします。しかし とおくと生憎そうはなりません。 ですが で、 の項が収束しない(強制振動)ので、 とならないのです。直感に頼ると痛い目にあうという好例でした。

共分散の落とし穴

二つの確率変数 X , Y が独立なら、共分散 は 0 になりますが、共分散が 0 だからといって独立になるかというとそうではありません。例えば X を標準正規分布に従う確率変数とし、 とおきます。このとき なので ですが、明らかに X と Y は独立ではありませ…

三角関数の問題

は方程式 の解で とする. このとき の値を求めよ. という問題を某所で教えてもらったのでちょっと解いてみました。まず方程式を と変形し、 を満たす を用いて とします。 なので、これを満たすのは のみです。したがって となります。これを に代入すると …

f(x + y) = f(x) + f(y) を満たす関数

タイトルのような関数で連続なものは ( は定数)しかありませんが、連続の代わりに … (*) という条件を付けても同じ結果が得られます。まず、 ならば、 とおいて、任意の有理数 に対して となることが分かります。さて、(*) の条件を付け加えます。任意の実数…

三角加法関数展開形

を加法定理を用いて展開すると、 の 変数の多項式になりますが、その一般形を探ってみたら面白いのではないか、という話を、先日知り合いの方と話していました。例えば となります。一般に とすれば となるので、この漸化式をもとに一般形は求められそうな気…

待ち行列理論(その 7・最終回)

型待ち行列(まとめ) ランダム到着・ランダムサービス(客の到着間隔とサービス時間が共に指数分布に従う)における諸結果をまとめておきます。 ただし の意味 は と だけで表すことができます。実際 ただし となります。ところで は、「列に並び始めてからサー…

待ち行列理論(その 6)

型待ち行列(続き) が具体的にわかったので を具体的に求めてみましょう( の式の形に注意 !)。 はちょっと技を使います。 従って については、単一窓口の場合と同じくリトルの公式 が成り立つので が成り立ちます。 単一窓口のときと同様に が成り立っていま…

待ち行列理論(その 5)

型待ち行列 今度は窓口が複数の場合を考えてみましょう。そうすると、客の到着に関しては今まで通りですが、サービスの方が確率が若干変化します。すなわち、時刻 の間に一人のサービスが終わる確率は、窓口が複数であることから と変化します。一方で時刻 …