2010-01-01から1ヶ月間の記事一覧

クラス(その 5)

クラス関数の単射・全射・全単射 はクラスである. のとき、 です。ここに は F の逆関係です。このとき です。 は固有クラスになります。なぜなら、もし が集合ならば、これを u とおくと なので となって正則性公理に反するからです。 が固有クラスですから…

クラス(その 4)

クラス関数 クラス F が関係であって を満たすならば、F はクラス関数であると言います。F が集合ならば単に関数と言います。関数の全体はクラスをなすので、これを Func で表します。また、F がクラス関数であることを で表します。ここで勘弁の為に記号 を…

クラス(その 3)

クラスの直積と関係 クラス A , B が与えられたとき を A と B の直積と言います。特に集合 u と v の直積 は集合 の部分クラスなので集合になります。3 個以上のクラスの直積は で帰納的に定義します。 の部分クラスのことを、A , B 上の関係*1と言い、また…

クラス(その 2)

クラスの相等 今、パラメータ付き論理式 によって与えられるクラス と、同じくパラメータ付き論理式 によって与えられるクラス があったとします。このとき … (*) と定義します。 を用いた簡便法で書けば と、集合における外延公理のようにも書けますが、こ…

クラス(その 1)

以前、当ブログで Zermelo-Fraenkel 公理系を紹介しました。そのうちの一つ、置換公理図式から導かれた分出公理図式を再掲します。 (VII)' 分出公理図式 この公理によって定まる集合を と書くことができます。ところで、この公理で の条件を外した は公理と…

旧・数学道場の解答を更新

旧・数学道場の問題 1 に別解を追加しました。この別解は「数学ガール」の登場人物、ミルカさんによるものです。この場を借りて、著者である結城浩さん(id:hyuki)に感謝いたします。

Fibonacci 数列の母関数

あまりに結果が綺麗だったので、「数学ガール」から引用します。Fibonacci 数列は、次の漸化式で定義されます。 一般に、数列 に対して、べき級数 を、数列 の母関数と言います。今、Fibonacci 数列の母関数を とおきましょう。すると から となり、 以降の…

数学ガール、大人買い

数学ガール (数学ガールシリーズ 1)作者: 結城浩出版社/メーカー: SBクリエイティブ発売日: 2007/06/27メディア: 単行本購入: 58人 クリック: 1,055回この商品を含むブログ (967件) を見る数学ガール/フェルマーの最終定理 (数学ガールシリーズ 2)作者: 結城…

Latin 方陣(その 3)

Euler 方陣 さて、前回作った二つの Latin 方陣を重ね合わせてみましょう。このようになります。 の 16 種類の記号が出てきますが、これらはちょうど 1 回ずつだけ現れています。このように、二つの Latin 方陣を重ね合わせたとき、相異なる記号の組が 1 個…

Latin 方陣(その 2)

Affine 平面を利用して Latin 方陣を作る 実は、n 次の Affine 平面があれば、それをもとにして Latin 方陣を作ることができます。n = 4 の場合でちょっと試してみましょう。実は、ちょうど 4 個の元からなる体 が存在します。これは、ちょうど 2 個の元から…

Latin 方陣(その 1)

異なる n 個の記号が、各行・各列ともに重複なく 1 個ずつだけ配置されたものを n 次の Latin(ラテン)方陣と言います。もっとも簡単な Latin 方陣の作り方は以下のようなものです。ここでは を記号として使います。 見ておわかりの通り、第 2 行は第 1 行を…

射影平面(その 3)

さて、n 次の Affine 平面が存在すれば、それを完備化して n 次の射影平面を作ることができました。一方、n 次の射影平面が存在すれば、そこから 1 本の直線と、その上にある (n + 1) 個の点を取り除くことによって n 次の Affine 平面を作ることができます…