さて、n 次の Affine 平面が存在すれば、それを完備化して n 次の射影平面を作ることができました。一方、n 次の射影平面が存在すれば、そこから 1 本の直線と、その上にある (n + 1) 個の点を取り除くことによって n 次の Affine 平面を作ることができます。したがって、n 次の Affine 平面の存在と n 次の射影平面の存在は同値です。
ところで、n 次の射影平面は点の個数も直線の本数もともに の形をしていました。そこで射影平面の点に と名前をつけ、直線にも と名前をつけます。その上で、q 次の正方行列 を
で定義します。これを射影平面の出会い行列と言います。この出会い行列が持つ性質と、整数論の深い結果を用いることによって
n 次の射影平面が存在すれば、方程式
は非自明解( 以外の解)を持つ
ことが知られています。例えば n = 6 とすると、方程式
は自明解しか持たない*1ことがわかるので、6 次の射影平面は存在しないとわかります。また、特に n = 4k + 1 , 4k + 2 の形の場合に、n 次の射影平面が存在すれば
となる整数 x , y が存在するということも整数論の結果として知られています。これらのことから、少なくとも n = 6 , 14 , 21 , 22 , … の場合には射影平面は存在しないことが分かります。
実は、射影平面については
という予想が立てられていますが、これは未解決問題です。