2005-12-01から1ヶ月間の記事一覧

群の表現と行列の Jordan 標準形(その 2)

表現の同値 さて、群の表現を数え上げると言っても、実質的に同じとみなせるものまでいちいち数え上げるのは御免こうむりたいものです。そこで、G の二つの表現 が同値であるということを s.t. で定義します。これが本当に同値関係になっていることは、簡単…

群の表現と行列の Jordan 標準形(その 1)

今日から数回に分けて、群の表現と行列の Jordan 標準形の関係についてお話したいと思います。 あまり一般化するとややこしくなる(というより、私自身が詳しくない)ので、G は有限群、K は標数が 0 の代数閉体とします。 K 上のベクトル空間 V があって、G …

ヘルダーの不等式

、また を の領域*1とします。今、 上の複素数値関数*2 で、 が有限となるようなものの全体を と表すことにします。 が 上のほとんどいたるところで一致*3するとき、同じことですが がほとんどいたるところ 0 となるとき と定義します。これは同値関係になる…

百分率の推定

例えば、こんな報道があったとしましょう。*1 「アメリカの対イラク政策支持率は 68.4% です。」 「随分高い支持率だな」などと呑気な事を言っているあなた、この数字が から作られたものだったとしたらどうですか。途端に「何だ、19 人中の 13 人か」と思う…

LaTeX2e 標準コマンド ポケットリファレンス

LaTeX2E 標準コマンド ポケットリファレンス (Pocket reference)作者: 本田知亮出版社/メーカー: 技術評論社発売日: 2005/06/25メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 7回この商品を含むブログ (5件) を見る 何かと を使うことの多い私にとってはバイブルとも…

コホモロジー占い

id:uramoomin さんのコホモロジー占いをやってみました。 あなたは特異コホモロジーです。 少々意味不明なところもあるが、有無を言わせぬ花がある。関手性の見やすいあなたは特異コホモロジーではないですか ? 一見して計算はしにくいですが、長く付き合え…

Cramer の公式

今、 という条件の下で、連立方程式 をせっせと解いてみると を得ます。ところで、これをちょっと書き直すと となります。何か法則性を感じませんか。

S3 から S2 への連続写像

しばらく代数の話題が続いたので、ここで幾何の話題をお送りします。 今、三次元球面 を とおいて の部分多様体とみなすことにします。 一方で に s.t. によって同値関係を入れ、これによって作られる商集合 を と表し、複素射影直線*1と言います。また、 を…

多元環の正則表現

R を可換環として、 を考えます。もし が環としての構造を持つように和と積を定めることが出来たならば、それは R 係数の n 次正方行列のなす環 の部分環として表現できる、という、驚くべき事実があります。 の場合の例をいくつか見てみましょう。 このうち…

四元数の行列表現

先日話題にした Hamilton の四元数体は、複素 2 × 2 行列環の部分環として表現できます。 とおくと、これは和に関して可換で が零元です。また、積について結合法則が成り立ち、 が単位元です。さらに分配法則も成り立つので、 は環になります。 ここで、零…

正 n 角形の定義

数学的に見て、正 n 角形のもっとも自然な定義はこうでしょう。 n 個の辺の長さが全て等しく、n 個の内角の大きさが全て等しい n 角形を正 n 角形という。 ところで、n = 3 のとき、つまり正三角形の場合は 三つの辺の長さが全て等しい三角形を正三角形とい…

分数の足し算

現在、小学校では、分数の足し算は分母が同じもの同士の足し算・引き算しか教えません。5 年生で分母が同じもの同士の足し算・引き算を教わることになっています。つまり のようなものは教えますが、 のようなものは(5 年生には)教えないのです。 私は初め、…

四元数と八元数

id:elb_phys さんの日記より。 四元数(クオータニオン)は非可換なので環。 八元数は非可換、結合法則を満たさないので環でもない ハイ、そのとおりです。しかし、はてなのキーワード解説にもあるとおり、任意の 0 でない四元数は積に関する逆元を持ちます。…

ハイクブログ

id:kururu_goedel 様に倣って、私も livedoor ハイクブログを始めてみました。数学のお題を中心に、時々詠んでみようと思います。

私信

遅くなりましたが、mathesis 様からコメントを頂いたので、この場でお返事。 数学の好きな子はどんどん先に進めばいいし、数学が嫌いなら、別に無理強いする必要もない。 「好きな子はどんどん先に進めばいい」という考え方には大いに賛成です。嫌いな子に、…