分数の足し算

現在、小学校では、分数の足し算は分母が同じもの同士の足し算・引き算しか教えません。5 年生で分母が同じもの同士の足し算・引き算を教わることになっています。つまり \frac15+\frac25=? のようなものは教えますが、\frac12+\frac13=? のようなものは(5 年生には)教えないのです。
私は初め、「これでは分数の計算が出来ない大人が大量発生するに違いない」と危惧していました。しかし、冷静に考えると、これは良いことです。
一昔前には、\frac12+\frac13=\frac25 と誤答する小学生が後を絶ちませんでした。分母が違うもの同士の足し算・引き算は、そのままでは出来ない、ということが理解できず、分母同士・分子同士を計算してしまうのです。
ところが、今の課程では分母が同じもの同士の足し算・引き算しか教えないので、分母の違うもの同士の足し算・引き算に出くわしたとき、「これはそのままでは出来ないゾ !」と、子供達は考えるでしょう。「分母が同じになれば計算できるのになぁ !!」
そこで初めて「通分」の話を持ち出せば、「なるほど !」と行く可能性が大です。そこには、最小公倍数といったちょっと高級な理論も入りますが、こうした「発展」という形で子供達の考える力を伸ばすことが出来れば…「ゆとり教育」大成功 ! …となると思うんですけどねぇ。