2007-10-01から1ヶ月間の記事一覧

Lebesgue - Stieltjes 積分(その 19・最終回)

絶対連続関数は有界変動関数である を区間 上の絶対連続関数(絶対連続関数の定義は既に与えました)とし、 を一つ固定して … (1) ならば … (2) を満たす を固定します。 として、 の細分 を考えるとき、細分をより細かく取った方が の値は大きくなりますので …

Lebesgue - Stieltjes 積分(その 18)

定理 が区間 上の有界変動関数ならば 、 は単調増加 と表せる。 (証明) とおくと、次のことが容易に分かる。 そこで とおけば、次のことも比較的容易に確かめられる。 そこで、 を一つ固定して とおけば、 は単調増加関数で が成り立つ。 有界変動関数に対す…

Lebesgue - Stieltjes 積分(その 17)

有界変動関数 区間 上の関数を とし、 に対して区間 の細分 を考え、和 を考えます。そして、 のあらゆる細分 に関する の上限を で表し、 の区間 における全変動と言います。 定義 区間 上の関数 に対して、任意の に対して が成り立つとき、 を有界変動関…

Lebesgue - Stieltjes 積分(その 16)

本題に進む前に、もう少しだけ寄り道していきます。 を任意の測度空間として、 を 上非負の可積分関数とします。このとき とおいて、これを の分布関数と言います。分布関数は単調増加*1になるので、その Lebesgue - Stieltjes 測度が定義できますが、このと…

Lebesgue - Stieltjes 積分(その 15)

特異な連続単調増加関数の例 とし、自然数 に対して と定義します。このとき、各 において と定義します。これはカントール関数(Cantor function)と呼ばれ、カントール集合の上でしか値の増加が起こらない単調増加関数です。しかも、この関数は連続になりま…

Lebesgue - Stieltjes 積分(その 14)

単調増加関数の分解 区間 上の単調増加関数 を与えると、これは と分解することができます。ここで は絶対連続な単調増加関数 は特異な連続単調増加関数*1 は離散的単調増加関数 であり、この分解は定数の和を無視して一意です。以下、その証明をしていきま…

Lebesgue - Stieltjes 積分(その 13)

久々に本筋に戻ります。 区間 上の二つの連続な単調増加関数 が与えられたとき、その Lebesgue - Stieltjes 測度が一致する、すなわち となるのはどんなときでしょう。もし ならば、任意の に対して が成り立ちます。これを整理すると となるので、 は定数、…

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