2007-10-01から1ヶ月間の記事一覧
絶対連続関数は有界変動関数である を区間 上の絶対連続関数(絶対連続関数の定義は既に与えました)とし、 を一つ固定して … (1) ならば … (2) を満たす を固定します。 として、 の細分 を考えるとき、細分をより細かく取った方が の値は大きくなりますので …
定理 が区間 上の有界変動関数ならば 、 は単調増加 と表せる。 (証明) とおくと、次のことが容易に分かる。 そこで とおけば、次のことも比較的容易に確かめられる。 そこで、 を一つ固定して とおけば、 は単調増加関数で が成り立つ。 有界変動関数に対す…
有界変動関数 区間 上の関数を とし、 に対して区間 の細分 を考え、和 を考えます。そして、 のあらゆる細分 に関する の上限を で表し、 の区間 における全変動と言います。 定義 区間 上の関数 に対して、任意の に対して が成り立つとき、 を有界変動関…
本題に進む前に、もう少しだけ寄り道していきます。 を任意の測度空間として、 を 上非負の可積分関数とします。このとき とおいて、これを の分布関数と言います。分布関数は単調増加*1になるので、その Lebesgue - Stieltjes 測度が定義できますが、このと…
特異な連続単調増加関数の例 とし、自然数 に対して と定義します。このとき、各 において と定義します。これはカントール関数(Cantor function)と呼ばれ、カントール集合の上でしか値の増加が起こらない単調増加関数です。しかも、この関数は連続になりま…
単調増加関数の分解 区間 上の単調増加関数 を与えると、これは と分解することができます。ここで は絶対連続な単調増加関数 は特異な連続単調増加関数*1 は離散的単調増加関数 であり、この分解は定数の和を無視して一意です。以下、その証明をしていきま…
久々に本筋に戻ります。 区間 上の二つの連続な単調増加関数 が与えられたとき、その Lebesgue - Stieltjes 測度が一致する、すなわち となるのはどんなときでしょう。もし ならば、任意の に対して が成り立ちます。これを整理すると となるので、 は定数、…
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