Lebesgue - Stieltjes 積分(その 15)

特異な連続単調増加関数の例

0\leq x\leq 1,\varphi_0(x)=x とし、自然数 n に対して
\varphi_n(x)=\left\{\begin{array}{ll}\frac12\varphi_{n-1}(3x)&(0\leq x\leq\frac13)\\\frac12&(\frac13\leq x\leq\frac23)\\\frac12\varphi_{n-1}(3x-2)+\frac12&(\frac23\leq x\leq 1)\end{array}\right.
と定義します。このとき、各 x\in[0,1] において
\varphi(x)=\lim_{n\to\infty}\varphi_n(x)
と定義します。これはカントール関数(Cantor function)と呼ばれ、カントール集合の上でしか値の増加が起こらない単調増加関数です。しかも、この関数は連続になります。
カントール集合 C は Lebesgue 測度が 0 であることが知られています。一方で m_\varphi([0,1]\setminus C)=0 であることから、\varphi は Lebesgue 測度に関して特異な連続単調増加関数と分かります。