2011-01-01から1年間の記事一覧

はてなブログに移行します

この度はてなブログに招待していただいたので、様子を見ながらはてなブログの方へ移行していこうと思います。まだちょっと不具合もあるようなので、当面はこちらも継続します。はてなブログ「Red cat の数学よもやま話・新装開店」 http://mathneko.hatenabl…

円周率を解析的に定義する(後編)

長くなりそうなのでセクションに分けていきます。 指数関数と指数法則 級数 の収束半径は無限大です。そこで任意の に対して と定義します。 とおくと、任意の実数 に対して が成り立つため、複素数 に対しても と書きます。ここで大事なことは、指数法則 が…

円周率を解析的に定義する(前編)

円周率の解析的な定義はいろいろあって、以前も一つ紹介しましたが、ここでは別な方法を紹介します。1. 次の二つの級数の収束半径は無限大である。 証明はそれほど難しくないので割愛します。この事実を利用して、任意の に対して と定義します。2. のとき …

1 で終わる数による割り算

前回とは逆(?)に、今度は 1 で終わる数による割り算を考えます。1 で終わる数は一般に と書けます。 を計算してみます。まずは と書き換え、 … (*) と割り算します。 により です。この両辺を 10 倍して整理すると となります。計算で分かるように なので、(…

9 で終わる数で割る割り算

9 で終わる数字による割り算を考えます。9 で終わる数字は一般に と表せますので を計算することを考えます。 として問題ありません。まず と書き換えます。次に … (*) と割り算します。 の条件から が成り立ちます。この両辺を 10 倍して整理すると となり…

100 に近い数同士の掛け算

100 に近い数字同士を掛け算するときの上手い方法を数式を用いて説明してみたいと思います。 とおいて掛け算すると となります。ここに、 の部分は もしくは と書けます(すなわち両者は常に一致)。そこでこの値を とおいて となることが分かります。例えば …

複素ベクトルと三元数

複素ベクトルと三元数作者: 眞鍋克裕出版社/メーカー: ブイツーソリューション発売日: 2010/11/25メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 80回この商品を含むブログ (1件) を見る著者は国家公務員らしい。Hamilton さえ成し得なかった三元数。果たしてどんな理…

可換代数入門

Atiyah‐MacDonald 可換代数入門作者: M.F. Atiyah,I.G. MacDonald,新妻弘出版社/メーカー: 共立出版発売日: 2006/02/01メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 68回この商品を含むブログ (6件) を見る将来的に代数幾何や数論をやる人向けの、可換環論の入門書…

自然数から整数へ、そして有理数へ(その 4)

を集合、 を自然数とするとき、集合 を次のように定義します。 ちなみに の同一視は から への写像 について、 は によって決定されるため、この両者を同一視することによって決めます。こうすると、たとえば となります。 のとき、自然に とみなすことがで…

double 型の罠

class Test { public static void main(String[] args) { for(int i = 0; i < 10; i++) { System.out.println(i / 10.0 == 0.1 * i); } } } さて、このプログラムの実行結果はどうなるでしょう ? コンピュータで実数を扱うのって難しいですね(苦笑)。

素数判定

ある整数が素数かどうか判定したいことは良くあると思います。それをプログラムで表すにはどうすればいいか ? というのは、初心の人にはなかなか分からないと思います。そもそも素数とは、1 と自分自身しか約数を持たない 2 以上の整数のことを指します(負の…