円周率の解析的な定義はいろいろあって、以前も一つ紹介しましたが、ここでは別な方法を紹介します。
1. 次の二つの級数の収束半径は無限大である。
証明はそれほど難しくないので割愛します。この事実を利用して、任意の に対して と定義します。
2. のとき
実際 のとき
である。
2. により のとき なので は で狭義単調減少です。また、定義により なので、あとは を示せば、中間値の定理により方程式 は にただ一つの解を持つことが分かります。
3.
であり では
なので、上式の級数部分の各項は 0 より大きい。したがって で
が成り立つ。よって
である。
以上により は にただ一つの解を持つことが分かったので、その解を とおき、 と定義します。この が円の直径と円周の長さの比であることは後編にて。