2007-03-01から1ヶ月間の記事一覧

1 - 1/2 + 1/4 - 1/5 + 1/7 - 1/8 + …(後編)

式 (1) と 式 (2) の x の係数を比較して を得る。ただし 。 ここで とおくと 故 を得るので、両辺を 2 倍して を得る。ちなみに とおけば 故 という、よく知られた Leibniz の級数を得る。 …とまあ、ちょっとした級数の計算を今回はやってみたわけですが、…

1 - 1/2 + 1/4 - 1/5 + 1/7 - 1/8 + …(前編)

という、ちょうど分母が 3 の倍数であるところだけが抜けた交代級数は収束します。この値を、「オイラーの無限解析」に沿いつつ、なおかつ現代風に攻めてみます。 において、分母分子に sin の無限積展開 を適用すると と表せる。そこで と置いて を満たすよ…

集合論の公理系(その 16・最終回)

選択公理 正則性公理の位置づけにはいろいろと議論もありましたが、ひとまずその辺は置いといて、いよいよ最後の公理を紹介します。 選択公理 これは、どれも空でなく、また互いに共通部分も持たない集合の族 z が与えられたならば、その要素たる各集合から…

集合論の公理系(その 15)

正則性公理 さて、 なる集合の存在は、Russel の逆理と密接に関係するなど、いろいろと厄介な事情を引き起こします。出来るなら、そのような集合はない方がありがたいものです。そこで、そのような集合が存在しないことを保証するための公理が、正則性公理で…

集合論の公理系(その 14)

もう少しだけ、分出公理図式の話にお付き合いください。その前に、補題を一つ証明しておきます。 補題 (証明) 和集合の定義により が成り立つ。一方 により だから となる。 定義域と値域 上記補題を元に、分出公理図式で とおくことで なる集合の存在が保証…