正則性公理
さて、 なる集合の存在は、Russel の逆理と密接に関係するなど、いろいろと厄介な事情を引き起こします。出来るなら、そのような集合はない方がありがたいものです。そこで、そのような集合が存在しないことを保証するための公理が、正則性公理です。
- 正則性公理
- 定理
(証明)
なるものが存在したとする。 だから、正則性公理により
となるはずである。ここで、 なる x は t しかないので
でなければならないが
となり矛盾する。
これでめでたく、 なる集合の存在は(正則性公理によって)否定されたことになります。
さて、今、集合 x に対して、新しい集合 を定義します。このとき となります。なぜならば、 とすると
となって、上記の定理に反するからです。
- 練習問題
- ヒント
- が正則性公理の反例となることを示せ。