2009-03-01から1ヶ月間の記事一覧

加群の完備化(help)

前回の記事、自分で書いておいてアレですが、かなり怪しいです。「完備化」と称して定義したものが本当に完備なのか、全く分かりません。そもそも、自然な写像 が連続なのかどうかも分からないし、さらに が で稠密であることも示せていません。 どなたか、…

加群の完備化

A を可換環とし、M を A 加群、 を有向集合、 を M の部分 A 加群の族で が成り立っているものとする。このとき の基本近傍形を にとることで M が位相群となることは前回示したが、ここで ならば、自然な群準同型 が存在するから、A 加群の射影系 が存在す…

位相群の基本近傍形について

G を群、 を有向集合、 は G の正規部分群の族で を満たしているものとする。このとき任意の に対して だから、単位元 の基本近傍形を と定めれば、G は位相群になる。このとき、各 は開集合になる。なぜならば、 ならば だから *1 となるから。一方で、各 …

直角三角形の面積と楕円曲線の関係(その 3・最終回)

前回からの続きです。三つのステップのそれぞれを証明していきます。 (Step 1 の証明) が を満たせば、 も を満たし、かつ だから、 として良い。すると だから . (Step 2 の証明) とし と既約分数表示する。もし m , n がともに奇数とすると、 とおけば だ…

直角三角形の面積と楕円曲線の関係(その 2)

前回、辺の長さが有理数で、面積が d である直角三角形の存在と、楕円曲線 が 以外の有理点を持つこととが同値であることを示しました。 さて、こんな話をして、結局何が言いたいのかというと、目的は、Fermat が Diophantus「数論」の余白に書いた第 45 の…

直角三角形の面積と楕円曲線の関係(その 1)

今回は、直角三角形の面積と楕円曲線の間にある不思議な関係をご紹介します。 まず、三辺の長さが全て有理数である直角三角形を考え、その面積が d であるとします。そのような集合を とおきます。このとき と 三項は全て有理数の平方で、かつ公差が d であ…

三角形の 3 傍接円から二次曲線

三角形の各傍接円が、各辺の延長部分と接する接点、計 6 点が同一二次曲線上にある。証明はまだ出来ていません。どうやって Pascal の定理に持ち込むか…?

二次曲線問題の証明

前に「証明をまとめて記事にする」と言ってすっかり忘れていました(^_^;) 円に内接する六芒星について、その各頂点から最も近い対辺に垂線を下す。このとき出来る垂線の足 6 点は、同一楕円上にある。 (証明) 以下の図で円周角の定理を使えば であることが分…

Sylvester の方程式

m 次正方行列 A 、n 次正方行列 B 、 行列 C が与えられたとき、 行列 X に関する方程式 … (1) を Sylvester の方程式という。 であるから、この行列の (i,j) 成分における の係数は である。そこで に新しい順序を で定義する。すなわち でもって に順序を…

Noether 環は、それを係数とする多項式環と同型ではない

いろいろな人からヒントをいただいたりアドバイスをいただいたりしましたが、最終的にぽけっとさんのアドバイスが決定打になって、ようやく解決しました。しかし、準同型定理を失念するとは衰えた…。A を Noether 環とし、A 係数の多項式環を A[X] とする。 …

LU 分解(後編)

一般の行列の LDU 分解 一般の 行列 A に対して、正則行列 S と 置換行列 があって と出来ることは周知の事実である。ただし B は次数が r (= rank A) で対角成分が全て 1 である上三角行列である。今、 に対して LDU 分解 を行うと となる。 とおく。ただし…

LU 分解(前編)

正則行列の LU 分解(その 1) を n 次正則行列とする。このとき、 の中で 0 でないものが少なくとも一つ存在するので、A に右から置換行列 を掛けて、一般性を失うことなく として良い。そこで とおく。ただし である。すると となるので、この行列から 1 行…

イデアル類

の有限次代数拡大体 L のことを代数体と言うが、このとき、L の中で の整閉包 R を考えると、これは Dedekind 環となることが知られている。これを L の整数環と言う。 L の整数環 R の二つのイデアル I , J について が成り立つとき と定義する。これは明ら…