一般の行列の LDU 分解
一般の 行列 A に対して、正則行列 S と 置換行列 があって
と出来ることは周知の事実である。ただし B は次数が r (= rank A) で対角成分が全て 1 である上三角行列である。今、 に対して LDU 分解
を行うと
となる。
とおく。ただし はそれぞれ対角成分が 1 である r 次および (m - r) 次の上三角行列である。このとき
である。 はまた対角成分が 1 の上三角行列であるから、この式全体を改めて U と置き直し、 を B , C と置き直す。
とおく。ただし はそれぞれ対角成分が 1 である r 次および (m - r) 次の上三角行列である。このとき
で、この式の右辺に は現れないから、 を に取り換えても影響は無い。かくして、適当な置換行列 を A に左右から掛けて
と分解することができた。ここに
- は m 次の下三角行列で、 の対角成分は 1
- は上三角型の 行列で、B の対角成分は 1
である。これを一般の行列の LDU 分解という。
まったく同様の方法で
と分解することができる。ここに
- は n 次の上三角行列で、 の対角成分は 1
- は下三角型の 行列で、B の対角成分は 1
である。