2007-07-01から1ヶ月間の記事一覧

Radon - Nikodym 微分(その 1)

今回は、通常の微分を少し拡張した Radon - Nikodym 微分について解説します。 実測度 を可測空間とします(可測空間の定義については id:redcat_math:20060106 を参照)。 の各集合に対して ならば を満たす関数 を 上の実測度と言います*1。通常の測度との違…

3 日でわか(らせ)る符号理論(3 日目・夜の部)

リード・ソロモンコードと誤りの訂正(続き) 計算例 I が送られてきたとします。 となります。このことから という連立方程式を得ます。各式の両辺に を掛けて となるので辺辺加えて すなわち を得ます。従って となります。これらのことから となるので すな…

3 日でわか(らせ)る符号理論(3 日目・午前の部)

リード・ソロモンコードと誤りの訂正 さて、リード・ソロモンコード において 番目が だけ変化したとします。つまり、 ビット目に誤りが集中した場合です。このときは となるので として と を求めることができるので、誤りの訂正ができます。

3 日でわか(らせ)る符号理論(3 日目・深夜の部)

リード・ソロモンコード 往々にしてノイズというものは、特定の箇所に集中して発生するものです。そのようなノイズに対して強い検出力を持つのがリード・ソロモンコードです。 リード・ソロモンコードでは 21 ビットを使用しますが、これを 3 ビットごとに区…

3 日でわか(らせ)る符号理論(2 日目・夜の部第 2 部)

と BCH コードと誤りの訂正(続き) 2 ビット誤っていた場合 今度は ビット目と ビット目()が誤って送られた場合を考えます。このときは となります。以下、 とおきます。 故 が成り立ちます。よって は二次方程式 の解です。これを解けば が求まり、どのビッ…

3 日でわか(らせ)る符号理論(2 日目・夜の部第 1 部)

と BCH コードと誤りの訂正 さて、BCH コードを定める行列 に左から を掛けると となり、見通しが良くなります。 1 ビット誤っていた場合 BCH コード に対して、 ビット目が誤って、 が送られてきたとすると となるので、誤りを検出し、かつ訂正ができます。…

3 日でわか(らせ)る符号理論(2 日目・昼の部)

ハミングコードでは、1 ビットの誤りまでは対応できますが、万が一それ以上の誤りがあった場合にもろさを露呈します。そこで、この方法を改良して、もし 2 ビット誤っていた場合でも訂正が効くコードを作ることにします。

3 日でわか(らせ)る符号理論(1 日目)

今日から 3 日間、自身の勉強も兼ねて、符号理論にお付き合いいただくことにしましょう。 パリティビット 7 ビット*1あれば、 種類の情報を表すことができます。しかし、通常は 8 ビット = 1 バイトの単位で情報を扱うことが一般的になっています。 そこで、…

Fermat 数

を非負整数として、 の形の数が素数であるならば、 の形をしてなければならないことは容易にわかります。そこで ( は非負整数)とおいて、これを Fermat 数 と言います。例えば です。Fermat は、この形の数に関して「 は全て素数である」と予想を立てました…