今回は、通常の微分を少し拡張した Radon - Nikodym 微分について解説します。
実測度
を可測空間とします(可測空間の定義については id:redcat_math:20060106 を参照)。 の各集合に対して
- ならば
を満たす関数 を 上の実測度と言います*1。通常の測度との違いは、値として負の値をとることを許す代わりに、値は常に有限であると限定しているところです。
なお、2 番目の条件に関しては、 の並びに関係なく成り立つので、Dirichlet - Riemann の定理により
すなわち右辺の級数は絶対収束することが要請されます。
実測度の性質
*1:同じ条件を満たす関数 を複素測度と言います。