2007-04-01から1ヶ月間の記事一覧

公理的集合論における自然数の存在(その 2)

さて、前回作った が、実は によらないことを示したいわけですが、そのために、もう一つ補題を示しておきます。 補題 (証明) を無限系譜とするとき、 も無限系譜となることは容易にわかります。よって となるので、前回の補題の 2. により が成り立ちます。…

公理的集合論における自然数の存在(その 1)

まぁ、公理的集合論などと言わずとも、自然数は確かに存在しているのですが、それを公理的集合論の中で扱えるように、公理的集合論の中に「埋め込む」作業を、今回はやってみようと思います。 まず という論理式を用意しておきます*1。無限公理により、 が真…

Fourier 級数で二つの zeta を求める

とおきます。これは周期 の区分的に滑らかな函数なので Fourier 級数展開が出来ます。その結果は となります。特に のとき となります。ここで を代入すると となるので、整理して を得ます。 同じ Fourier 級数に、今度は Parseval の等式を適用すると を得…

続・1 - 1/2 + 1/4 - 1/5 + 1/7 - 1/8 + …(後編)

前回の続き。 の和を求めるもう一つの方法です。 とおきます。これは周期が の区分的に滑らかな函数なので Fourier 級数展開が出来ます。実際に展開すると となります。特に のとき が成り立ちます*1。ここで を代入*2すると となるので を得ます。 同じ答を…

続・1 - 1/2 + 1/4 - 1/5 + 1/7 - 1/8 + …(前編)

以前、交代級数 の和を求めてみましたが、これに別な解法がありました。 のとき を利用します。これを 0 から まで項別積分すると となります。右辺の級数は Abel の連続性定理により [0,1] で一様収束し、左辺を f(x) とおくとき となります。ここに となり…

オブジェクトは見えていた

以前、d:id:redcat_math:20060522#1148301628 の中で 数学の研究とはまさに「オブジェクトなき戦い」なのかも知れません。 と書いたわけですが、よくよく考えてみると、これは微妙に違うな、と思いました。 先日まで、Zermelo-Fraenkel 公理系をせっせと紹介…

世間的にエイプリルフールな件について

今年は P = NP 問題で一発ぶちかまそうと思っていたら、mixi 内である人が「さすがにそれは拙い」みたいな発言をしていたのを見つけたので、自粛しました。 その代わり、数学に関するエイプリルフールネタを紹介します。 「10 桁で終了」 円周率ついに割り切…