続・1 - 1/2 + 1/4 - 1/5 + 1/7 - 1/8 + …(後編)

前回の続き。
1-\frac12+\frac14-\frac15+\frac17-\frac18+\cdots
の和を求めるもう一つの方法です。
f(x)=\left\{\begin{array}{cl}0&(x=2n\pi)\\\pi[\frac{x}{2\pi}]+\frac{\pi-x}{2}&(x\neq 2n\pi)\end{array}\right.
とおきます。これは周期が 2\pi の区分的に滑らかな函数なので Fourier 級数展開が出来ます。実際に展開すると
f(x)=\sum_{n=1}^\infty\frac{\sin nx}{n}
となります。特に 0<x<2\pi のとき
\sum_{n=1}^\infty\frac{\sin nx}{n}=\frac{\pi-x}{2}
が成り立ちます*1。ここで x=\frac{2\pi}{3} を代入*2すると
\frac{\sqrt{3}}{2}\sum_{k=0}^\infty(\frac{1}{3k+1}-\frac{1}{3k+2})=\frac{\pi}{6}
となるので
\sum_{k=0}^\infty(\frac{1}{3k+1}-\frac{1}{3k+2})=\frac{\pi}{3\sqrt{3}}
を得ます。
同じ答を得るのに、都合三通りの方法を紹介したことになりますが、このように、同じ答を得るにもいろいろな方法があるところが、数学の面白さの一つではないでしょうか。

*1:これに Parseval の等式を適用すると、有名な \sum_{n=1}^\infty\frac{1}{n^2}=\frac{\pi^2}{6} が得られます。

*2:ちなみに、x=\frac{\pi}{2} を代入すると、またも Leibniz級数を得ることが出来ます。