を非負整数として、 の形の数が素数であるならば、 の形をしてなければならないことは容易にわかります。そこで ( は非負整数)とおいて、これを Fermat 数 と言います。例えば
です。Fermat は、この形の数に関して「 は全て素数である」と予想を立てました。これもかつては「Fermat 予想」と呼ばれ、かの天才・Euler も、一時はこれを真実と疑わなかったようです。
ところが Euler は、非常に驚くべき巧妙な方法で、 は素数ではないことを示してしまいました。 に注意すると
かくして Fermat のこの予想は否定的に解決されてしまったわけですが、だからと言って、Fermat 数が全く役に立たないかと言うとそうではありません。後に Gauss が
という大定理を証明しました。また、Fermat 数のちょっとした性質を使うと、素数が無限個あることの別証明が完成します。そのちょっとした性質とは
という性質です(この性質は数学的帰納法で簡単に証明できるので、練習問題にでも…)。これを使うと と がある共通因数 を持つなら、 は 2 の約数でなければなりません。ところが Fermat 数は全て奇数ですから はありえません。従って となり、相異なる Fermat 数は互いに素であることがわかります。故に、Fermat 数の素因数として現れる素数は全て異なり、かつ Fermat 数が無限にあることから、素数は無限個あることがわかるのです。