Lebesgue の分解定理
定理
測度空間 に対し、 上の 有限測度(または実測度)は
ただし
- は に関して絶対連続な測度(または実測度)
- は と互いに特異なな測度(または実測度)
と分解できる。さらに があって
と表される。しかもこの分解は一意的である。
これにより定まる の分解を Lebesgue の分解と言います。
(証明)
分解の存在を示す。
(i) が実測度の場合
とおき、これに対し
なる をとって
とすれば
となる。そこで
とおくと は と互いに特異である。後は
が に関して絶対連続なことを示せばよい。
とし とすれば は
を満たすので矛盾。従って である。
であり、上の事実から
となる。故に は に関して絶対連続。
(ii) が 有限測度の場合
で
を満たすものが存在する。ここで としてよい。
とおくとこれは 上の有限測度で
である。(i) で示したことにより、各 に対しては があって
- は に関して絶対連続
- は と互いに特異
となる。ここに としてよい。しからば
は求める分解を与える。
続いて分解の一意性を示す。
で
- は に関して絶対連続
- は と互いに特異
であるとする。 を
となるように取る。このとき である。よって
だから である。 が実測度のときは、このことから が従う。 が 有限測度のときは、各 に対して が得られるから、これを加えてやはり を得る。