Lebesgue - Stieltjes 測度と Radon - Nikodym 微分(その 1)

まず、これまでに確認したことをおさらいします。

  • 測度 \mu に関して絶対連続な実測度(または \sigma 有限な正測度)は、ある可測関数の積分の形に書ける
  • 区間 I\subset\mathbb{R} 上の絶対連続関数は有界変動関数であり、その Lebesgue - Stieltjes 測度は Lebesgue 測度に関して絶対連続である

これらのことから

絶対連続関数は、ある Borel 可測関数の不定積分の形に書ける

ことが分かったわけですが、今回は、その最終形として

定理

\mathbb{R} 上の絶対連続関数 g(x) はほとんどいたるところ微分可能であり、かつその導関数 g'(x) は局所可積分
g(b)-g(a)=\int_a^b g'(x)dx
が成り立つ。

ことを証明します。そのためにはいろいろと準備が必要なのですが、今回は、必要に応じて証明を遡る形で示して行きたいと思います。