Lebesgue - Stieltjes 測度と Radon - Nikodym 微分(その 2)

まず、次の補題を認めることにします。

補題 1

f(x)\mathbb{R} 上の局所可積分関数とし
F(x)=\int_a^x f(t)dt
とおけば、F(x) はほとんどいたるところ微分可能で
F'(x)=f(x) (a.e.)
が成り立つ。

これを認めたうえで、前回の定理を証明しましょう。
g(x) を絶対連続関数とすると、g によって定義される Lebesgue - Stieltjes 測度 m_g は Lebesgue 測度に関して絶対連続。従って、ある可積分関数 f(x) があって、任意の有限区間 [a,b] に対して、m_g[a,b] 上の測度と見たとき、[a,b] に含まれる任意の Borel 集合 M に対して
m_g(M)=\int_M f(t)dt
となる。
F(x)=\int_a^x f(t)dt(a\leq x\leq b) … (1)
とおくと、[a,x][a,b] の Borel 集合だから
g(x)-g(a)=m_g([a,x])=\int_a^x f(t)dt=F(x) … (2)
である。補題 1 により F(x) はほとんどいたるところ微分可能だから、g(x) もほとんどいたるところ微分可能で
g'(x)=F'(x)=f(x) (a.e.)
が成り立つ。従って (1) , (2) より定理が示される。