前回の補題 1 を見て、何か気づかなかったでしょうか。
もし が連続関数なら、これは微積分学の基本定理そのものです。つまり、補題 1 は、ある意味これも微積分学の基本定理と呼ぶに相応しいものなのです。
しかし、 に関する条件がゆるくなっているので、証明には工夫が必要です。
まず、 が有限区間で定義されている関数ならば、その区間の外側では 0 としてこの補題が適用できます。そして、この補題は、任意の有限区間で成り立つことが示されれば十分なので、 は積分可能であるとして証明すれば良いことになります。
さて
とおいて、まずは のとき、ほとんど全ての に対して 極限値が存在することを言えば良いのですが、そのために
とおいて、 (a.e.) を示せばよいことになります。(続く)