絶対連続関数は有界変動関数である
を区間 上の絶対連続関数(絶対連続関数の定義は既に与えました)とし、 を一つ固定して
… (1)
ならば
… (2)
を満たす を固定します。
として、 の細分 を考えるとき、細分をより細かく取った方が の値は大きくなりますので
において が成り立っているものとして構いません。
そして、 における小区間をいくつかずつまとめて、その長さの和が と の間になるように、いくつかの組にします。最後に半端が出た場合は、それは一つの組として扱います。このとき、組の数は を超えず、また、各組における変動の和は 以下になるので
となり、 は有界変動関数となることがわかります。
また、(1) のとき (2) が成り立つならば、各小区間をさらに細分することによって
が成り立つことが確かめられます。
ところで、前回の定理で得られた に対して
が成り立つので
同様に
が成り立つので、 はともに絶対連続な単調増加関数となります。従って
を満たす Borel 可測関数 が存在し、これをやはり の Radon - Nikodym 導関数と言います。