Lebesgue - Stieltjes 積分(その 17)

有界変動関数

区間 I\subset\mathbb{R} 上の関数を g(x) とし、a,b\in I(a<b) に対して区間 [a,b] の細分
\Delta:[a,b]=[x_0,x_1]\cup\dots\cup[x_{n-1},x_n]
を考え、和
\sum\nolimit_\Delta(a,b)=\sum_{k=1}^n|g(x_k)-g(x_{k-1})|
を考えます。そして、[a,b] のあらゆる細分 \Delta に関する \sum\nolimit_\Delta(a,b) の上限を V(a,b) で表し、g(x)区間 [a,b] における全変動と言います。

定義
区間 I\subset\mathbb{R} 上の関数 g(x) に対して、任意の a,b\in I(a<b) に対して V(a,b)<\infty が成り立つとき、g(x)有界変動関数と言う。

g(x) が単調増加関数ならば、V(a,b)=g(b)-g(a) となるので、単調増加関数は有界変動関数であることが分かります。また、有界変動関数の和や定数倍はまた有界変動関数になるので、単調増加関数の差として表される関数は有界変動関数になりますが、実は有界変動関数は必ず単調増加関数の差の形に書けることを、次回証明したいと思います。