数学・OR

待ち行列理論(その 7・最終回)

型待ち行列(まとめ) ランダム到着・ランダムサービス(客の到着間隔とサービス時間が共に指数分布に従う)における諸結果をまとめておきます。 ただし の意味 は と だけで表すことができます。実際 ただし となります。ところで は、「列に並び始めてからサー…

待ち行列理論(その 6)

型待ち行列(続き) が具体的にわかったので を具体的に求めてみましょう( の式の形に注意 !)。 はちょっと技を使います。 従って については、単一窓口の場合と同じくリトルの公式 が成り立つので が成り立ちます。 単一窓口のときと同様に が成り立っていま…

待ち行列理論(その 5)

型待ち行列 今度は窓口が複数の場合を考えてみましょう。そうすると、客の到着に関しては今まで通りですが、サービスの方が確率が若干変化します。すなわち、時刻 の間に一人のサービスが終わる確率は、窓口が複数であることから と変化します。一方で時刻 …

待ち行列理論(その 4)

型待ち行列(続き) さて、 とわかったところで を求めてみましょう。そのために一つ公式を用意しておきます。 のとき の両辺を について微分して 故に ゆえに さて、今度は待ち時間ですが、 は、客が到着してからサービスを受け始めるまでの時間であり、この…

待ち行列理論(その 3)

型待ち行列(続き) 微分方程式系 が のとき、 で平衡状態になると考え、 とします。 と考えられます*1から、平衡状態において が成り立ちます。第 2 式を変形すると となるので、第 1 式と合わせて , すなわち が成り立ちます。このことから となりますが、 …

待ち行列理論(その 2)

型待ち行列 まずは、最も基本的な 型待ち行列を解析してみましょう。時刻 の時点での系の長さが である確率を で表します。時刻 の時点で系の長さが 0 である確率 を求めてみましょう。以下の 4 パターンが考えられます。 時刻 の時点で系の長さが 0 で、時…

待ち行列理論(その 1)

これからしばらくは待ち行列理論にお付き合いいただきます。とりあえず独特の用語が多いので、最初に用語の定義だけしておきます。 平均到着間隔と平均到着率 客の到着間隔を確率変数と見たとき、その従う分布を到着分布と言い、その期待値を平均到着間隔と…

囚人のジレンマ

今回はゲーム理論において有名な例の一つ「囚人のジレンマ」を紹介します。 以下のルールの下で行われるゲームを考えます。*1 プレイヤーの数は 2 二人のプレイヤーの利得の和は一定とは限らない 各プレイヤーは二人の合意に基づく協定によってではなく、独…