カオス現象(その 1)

\frac{dx}{dt}=(b-cx)x … (*)
という微分方程式を考えてみます。これは 1 階の微分方程式で変数分離形なので解析的に解くことができます。実際、初期値を x(0)=x_0 とすると
x(t)=\frac{bx_0 e^{bt}}{b+cx_0(e^{bt}-1)}
となります。ところで、(*) を Euler 法で近似的に解くことを考えてみましょう。微小の刻み幅 h を固定して考えると
\frac{x(t+h)-x(t)}{h}=(b-cx(t))x(t)
で、1+bh=a,\frac{ch}{1+bh}x(t)=y(t) とおいて整理すると
y(t+h)=ay(t)(1-y(t))
となります。そこで y_0=y(0)=\frac{ch}{1+bh}x_0 から始めて y_n=y(nh) とおくと
y_{n+1}=ay_n(1-y_n)
という漸化式を得ます。この漸化式が実に興味深い挙動を見せてくれるのですが、続きはまたの講釈で。