2010-08-23 位相空間を様々な方法で定義する(その 5) 数学・解析 閉包作用子を与えることによる定義(別法) 閉包作用子を与えて位相を定める方法としては、別の方法があります。その前に、一般に X に開集合系が与えられているとして、次の事実を証明します。 定理 証明 だから は を含む閉集合である。 を閉集合で とする。このとき で は開集合であるから である。したがって である。つまり は を含む最小の閉集合である。よって 。ここで閉包作用子を 、開核作用子を と書くことにすると と表せます。これを逆手にとって、閉包作用子 が与えられたとき、開核作用子 を で定義すると、これは開核作用子の性質を満たすことが分かります。実際 だから 、 を に置き換えて ならば 、よって 、もう一度補集合をとって なので、 は開核作用子の性質を満たします。このようにして定義された開核作用子から開集合系を再現すれば、やはり位相構造が得られます。