サイバーグ・ウィッテン理論

かつての 4 次元トポロジーは、ドナルドソンの仕事によるところが大きく、それによって多くの結果が得られてきました。しかし最近になって、「サイバーグ・ウィッテン方程式」と言われる方程式を調べることによって、4 次元トポロジーは飛躍的な発展を遂げ、旧来のドナルドソン理論によって得られた結果をより簡単に導けるようになっただけでなく、ドナルドソン理論では困難と考えられていた予想が次々に解決していきました。
しかし、この便利なサイバーグ・ウィッテン理論も、数学者から見ると少しばかり気味の悪い部分があります。と言うのも、なぜサイバーグ・ウィッテン方程式が 4 次元のトポロジーに関わっているのか、はっきりとした根拠が良くわかっていないのです。何だかわからないけれど、「この方程式を調べれば 4 次元トポロジーのことがわかる」という「お告げ」のようなものに導かれてサイバーグ・ウィッテン方程式を調べた結果、今日の 4 次元トポロジーがあるわけです。
参考書籍として「サイバーグ・ウィッテン理論とトポロジー」(J.W.モーガン著、二木昭人訳、培風館)を挙げておきますので、興味がある方はどうぞ。