順序を入れ替えると

昨日の記事中の
1-\frac12+\frac13-\frac14+\frac15-\frac16+\cdots=\log 2
についてですが、ここでちょっとした手品をお見せしましょう。*1
まず、両辺を 2 で割ります。
\frac12-\frac14+\frac16-\frac18+\frac{1}{10}-\frac{1}{12}+\cdots=\frac12\log 2
一つおきに 0 を挟んでも和は変わらないので
0+\frac12+0-\frac14+0+\frac16-\cdots=\frac12\log 2
これを最初の級数に足すと
1+0+\frac13-\frac12+\frac15+0+\frac17-\frac14+\cdots=\frac32\log 2
0 となる項を取り除けば
1+\frac13-\frac12+\frac15+\frac17-\frac14+\cdots=\frac32\log 2
あら不思議、これは元の級数の順序を入れ替えたものではありませんか。
しかし、何故順序を入れ替えたら和が変わったのか ? その答は、最初の級数が「絶対収束」していないからです。

*1:「手品」などと格好の良いことを言っていますが、このネタは杉浦光夫「解析入門 ?(基礎数学2)」に載っています。