二つの「超関数」

数学では「超関数」と呼ばれるものが 2 種類存在します。一つは Schwartz によるもの、もう一つは佐藤幹夫氏によるものです。しかし、両者は全く違う概念に基づいて考えられており、英語にすることで両者の違いがはっきりします。
Schwartz の超関数は、英語では "distribution" と言います。直訳すると「分布」であり、実際に Schwartz の distribution はまさに「関数」よりは「分布」に近い性質を持っています。
一方、佐藤の超関数はずばり "hyperfunction" と言います。こちらの方がより「関数」に近い性質を持っており、佐藤超関数を「超関数」と言う人は、Schwartz の超関数のことは「分布」と呼んで区別するそうです。