閉区間 [a,b] で連続な関数 f(x) に対して、その原始関数 F(x) がわかっているとしましょう。すなわち
ということ*1ですが、このとき
となることは、誰でもご存知でしょう。これを、ちょっと見方を変えるとこんな風になります。
この最後の等号の部分が Stokes の定理です。ところで って何でしょう。それは、標準 1-単体 [0,1] の境界が
となることから
となります。従って
となるわけです。
話はここでは終わりません。複素平面内の単連結な領域 D と、その内部の閉曲線 C に対し、C に沿った D 上の正則関数 f(z) の線積分は 0、すなわち
が成り立ちます(Cauchy の積分定理)*2。今、C が囲む閉領域を A として、すなわち となるように A を取って、これにも Stokes の定理を適用してみましょう。その前に
としておきます。すると
となりますが、ここで Cauchy-Riemann の関係式により、積分の中身は共に 0 となる*3ので、積分は全体として 0 になる、というわけです。
おなじみの定理も、別の定理を使って見直すと、新たな発見があるかもしれませんね。