有限な正測度の Radon - Nikodym 微分
最後に、Radon - Nikodym の定理から得られる、次の定理を証明しておきます。
定理
を 有限な測度空間とする。 を 上の 有限な正測度で に関して絶対連続とする。このとき、いたるところ有限な値をとる可測関数 が存在して
となる。この は、測度 0 の集合上を除いて一意に定まる。
(証明)
は 有限だから
を満たす可測集合列が存在する。
とおけば、 もまた に関して絶対連続で、 は有限測度であるから、Radon - Nycodim の定理により
を満たす積分可能関数 が存在する。
とおけば は可測で
を満たす。
Radon - Nikodym の定理及び上記定理における のことをしばしば と書き、 の Radon - Nikodym 導関数と言います。