Radon - Nikodym の定理の証明(その 4)
次に、 が 有限の場合を考えます。このときは
を満たす可測集合列が存在します。そして各 上では
を満たす 上非負でいたるところ有限な積分可能関数 が存在します。そこで
として得られる関数 を考えれば、 かつ は可測関数で
を満たすので、これを加えて
となります。やはり
なので、 は積分可能です。
次に、 を一般の実測度で、 に関して絶対連続なものとします。このとき、Hahn 分解における も に関して絶対連続な正の実測度になります。従って
となる非負でいたるところ有限な積分可能関数 が存在します。そこで となる可測集合 を用いて
とすれば、 も積分可能な関数で
が成り立ちます。
最後に の一意性を示しましょう。もし の他に
なる があれば
が成り立つので a.e.*1です。
*1:"a.e." は "almost everywhere"(ほとんどいたるところ)の略。