指数分布とポアソン分布(後編)

客の平均到着率を \lambda とします。このとき、時刻 (0,t] の間に到着する客の数は期待値 \lambda t のある分布に従っているはずです。今仮に、それがポアソン分布であるとしましょう。その確率密度関数
\frac{(\lambda t)^i e^{-\lambda t}}{i!} … (*)
です。最後の客が到着した時点から起算して、次の客が到着するまでの時刻を表す確率変数を T とするとき、時刻 (0,t] の間に客が来ない確率 P(T\gt t) は (*) で i=0 の場合ですから
P(T \gt t)=e^{-\lambda t}
が成り立ちます。すると T の分布関数は
P(T\leq t)=1-P(T\gt t)=1-e^{-\lambda t}
なので、これを微分して確率密度関数
f_T(t)=\lambda e^{-\lambda t}
となり、T は指数分布に従うことが分かります。

以上は客の立場から考察してきましたが、逆に窓口のサービスについても同じことが言えます。つまり、客一人当たりのサービス時間が指数分布に従うことは、サービスがランダムであることを示しています。なお、このときはパラメータとして \lambda の代わりに \mu を使うのが慣例となっています。