指数分布とポアソン分布(おまけ)

実は今まで話してきた指数分布のランダム性は、記憶の欠如と呼ばれる、次の性質が大きく関係しています。T を指数分布に従う確率変数とするとき
P(T \gt s+t|T \gt s)=P(T \gt t)
が記憶の欠如です。待ち行列に絡めて話をすれば「次の客が来るまでの時間は、それまでの経過時間には影響されない」ということです。式を変形すると
P(T \gt s+t)=P(T \gt s)P(T \gt t)
なので、f(x)=P(T \gt x) とおけば
f(s+t)=f(s)f(t)
が成り立つことになり、連続型の分布でこのような性質を満たすものは指数分布のみであることが分かります。*1

*1:離散型分布では幾何分布がこの性質を満たします。