さて、客の到着がランダム(到着間隔が指数分布に従う)であるとき、前回の結果から、時刻 の間に到着する客の数 について
が得られました。ここで、時刻 の間に 人の客が到着する確率を で表すことにすれば
ですから
と、微分方程式を立てることができます。 については変数分離形で
( は定数)
と解くことができて、初期条件 から 、すなわち
となります。一方 については
と一階線型の微分方程式なので
です。したがって
と初期条件 から 、よって
であり
と初期条件 から 、よって
です。
ここまで来ると
と予想がつきます。実際 のときこの予想が正しいとすれば
と初期条件 から 、よって
となること、 のときは既に示されているので数学的帰納法により予想は正しいとわかります。
改めて
の形を見ると、これは に関して期待値 のポアソン分布の確率密度関数に他なりません。 は平均到着間隔の逆数なので、単位時間当たりの客の平均到着数(平均到着率)を表します。それを時刻 まで考えているのですから、期待値が であることは極めて自然なことです。
次回、逆にポアソン分布から指数分布が現れる過程を見ることにして締めとします。