の積分表示と
とします。このとき、複素平面内の正の実軸 の補集合の上で
と定義し、右上の図のように積分経路 C を取ります(順路は反時計回り)。このとき
と積分を用いて表示することが出来ます。ところが、この右辺の積分表示は、実は で定義できることが分かります。これを利用すると、非負整数 n に対し
となるので、 の Laurent 展開
… (*)
を用いると、留数定理により は、(*) における の係数の 倍に等しいことが分かります。従って
が成り立ちます。例えば
です。この結果を
に無理矢理当てはめると
という、一見成り立たない等式を得ることが出来ます。
Riemann 予想
さて、 は の零点でした。これを「自明な零点」と言いますが、Riemann は
の自明でない零点は の上にある
と予想しました。実際、自明でない零点は の範囲にあることがわかるのですが、それらの実部は全て 1/2 に等しい、というのです。
数論とも深い関係にあるこの予想ですが、未だ解決に至っていません。しかし、自明でない零点の 1/3 以上は の上にある、ということまでは知られているようです。