Riemann-Liouville 微分作用素
前回定義した Riemann-Liouville 積分作用素は、ある種の積分方程式を考える上で現れたものです。そこで、その積分方程式を解く意味で、Riemann-Liouville 積分作用素の逆作用素を考える必要があります。
とします。このとき、前回紹介した定理により ですから、これに左から「微分」作用素 を作用させれば
になると期待されます。そこで
と置いて、これを Riemann-Liouville微分作用素と言います。
さて、 がいかなる函数に対して意味を持つか、が重要なのですが、「微分」作用素 を Radon-Nikodym 微分の意味に取ることで、この作用素は任意の に対して意味を持つことが知られています。従って、 ならば、積分方程式
は という形で解けることになります。 は、まさに「 回微分」と呼ぶにふさわしい作用素なのです。