先日の記事に頂いたコメントに、この場を借りてお返事。
Whitehead の定理とは、この文脈では
X , Y を高々 n 次元の多面体とし、f : X → Y を連続写像とする。f が導くホモトピー群の準同型写像 が に対して同型であるならば、f はホモトピー同値である。
を意味しています。証明は小松・中岡・菅原著「位相幾何学 (1) (現代数学 6)」(岩波書店)に載っています。
参考書としては本間著「組合せ位相幾何学」(共立全書 231)が挙げられますが、おそらく入手困難と思われますので、詳細を書いておきます。Hurewicz 同型
による の生成元 α の逆像 を とおきます(ただし )。
の生成元は恒等写像 のホモトピー類 で与えられ、定義により なので
は同型。また、1 次と 2 次のホモトピー群は自明なので、
は に対しても同型。故に Whitehead の定理により はホモトピー同値写像となります。