一様乱数の差の分布(後編)

二つの確率変数 (X, Y) の同時分布の確率密度関数 p(x,y) が分かっていると、今回の P(Y < X) のような確率は二重積分でも求められます。

ちなみに X と Y が独立ならば、X の確率密度関数を f(x)、Y の確率密度関数を g(y) とするとき、(X, Y) の同時分布の確率密度関数は f(x)g(y) で与えられます。本問では X, Y はともに一様分布 U[0,1] に従う独立な確率変数なので、同時分布の確率密度関数は 0 ≤ x ≤ 1 かつ 0 ≤ y ≤ 1 のとき 1、その他では 0 になります。このとき Y < X であるのは、以下の領域です。

よって
\begin{align}P(Y\lt X)&=\int_0^1\int_0^x dxdy\\&=\int_0^1 xdx\\&=\left[\frac{x^2}{2}\right]_0^1=\frac12\end{align}
となります。*1

P(Y < X) = 1/2 とわかったので期待値は 600 * (1/2) = 300 (回)と、やはり同じ答が得られます。

*1:実際には三角形の面積を求めればよいので、わざわざこのような計算をする必要はないのですが。