Affine 平面(その 3)

もう一つ、Affine 平面の大事な性質を見ておきます。

命題 1.4

Affine 平面上のいかなる点に対しても、その点を通る直線は少なくとも 2 本ある。
(証明)
命題 1.3 により保障された 4 点を p , q , r , s とし、Affine 平面上の任意の点を a とする。一般性を失うことなく a は p , q , r とは一致しないとして良い。このとき a を通る直線が 1 本しかないと仮定すると、直線 ap, aq, ar は全て同一の直線になるが、これは p , q , r が同一直線上にないことに矛盾する。

後にこの命題をより強めて、1 点を通る直線が少なくとも 3 本あることを示します。

命題 1.5

Affine 平面上のどの直線も、少なくとも 2 点を含む。
(証明)
p , q , r , s は命題 1.3 で保障される 4 点とする。与えられた直線を l とする。l が p , q , r , s のうちの 2 点を含めばそれで良いので、l はこれらのうちの 3 点を含まないとする。一般性を失うことなく、その 3 点は p , q , r として良い。p , q , r は同一直線上にないので、直線 pq , pr , qr はどの 2 本も平行でない。したがって、この 3 本の直線で l と平行なものは高々 1 本である。よって、l と平行でない 2 本の直線を m , n とし、l と m の交点を a , l と n の交点を b とすれば、l は a , b の 2 点を含む。

次回は、Affine 平面上のいかなる直線も、同じ数の点を含むことを示します。