左随伴と右随伴は双対である
関手 が与えられたとき、それは反変関手 を与えますが、(すなわち )、(すなわち ) に対して とは のことですから です。同様に なので
となり、結局(共変)関手 が与えられたことになります。
さて、 が の左随伴関手であるとき、自然な同型
がありますから、これを書き直すと
ということになります。従って F は U の右随伴関手になっています。このように、左随伴と右随伴は、互いに双対の概念になっています。
極限と余極限
二つの圏 に対し、関手 を以下のように定義します。
の任意の対象 x に対して関手 とは、 の全ての対象に対して x を、また全ての射に対して id(x) を対応させるもの。
この関手 が右随伴を持つとき、それを と書いて極限と言い、また が左随伴を持つとき、それを と書いて余極限と言います。上で見たように、左随伴と右随伴は互いに双対の概念ですから、極限と余極限も互いに双対の概念です。