以下は、あまり一般論を述べても仕方がないので具体論に入ります。
二次体 の整数環
二次体 の整数は により
,
の形をしていることが分かります。ここで
とおくと
となりますが、ここで
は、よく知られている 1 の(虚)三乗根です。従って、二次体 の整数環は
であることが分かります。この環は、ある著しい性質を持っています。詳しい証明は「初等整数論講義 第2版」に譲りますが、この環は Euclid 環となることがわかるのです !
Euclid 環が単項イデアル整域となることは環論の基礎事項ですが、このことから、 においては、有理整数の素因数分解の一意性と同等のことが成り立ちます。そこで問題になるのが
の「素数」とは何か ?
ということなのですが、それは次回の講釈で。