さて、
の基底をうまくとってやりたい*1のですが、まずは のときを考えましょう。
において、 とおくと
となるので、基底 に関する t の行列表示は
となります。これを参考に、 の場合を考えてみましょう。
ちょっと手抜き(?)して、 とおき、
への の作用を考えてみましょう。今、
とおくと、 は の部分空間で、なおかつ に同型です。これをうまく利用して
とおくと
となるため、この基底に関する u の行列表示は
となります。遡って、t の行列表示は
となります。 の場合も同様で、 の基底を
()
に取れば、t の行列表示が
( 次正方行列、ただし )
となることが示せます。これは実 Jordan 細胞と言われています。これを用いると、過去に遡って
なる直和分解が得られれば、これを基に、t の行列表示
が得られることになります。これが実 Jordan 標準形と言われるものです。
*1:もう、いちいち添え字を書くのは面倒なので、添え字は省略しています。