なぜ定積分は面積か

区間 [a,b] において連続な関数 y = f(x) について、a ≤ x ≤ b のとき f(x) > 0 とします。このとき、y = f(x) のグラフと x 軸、及び、直線 x = a , x = b で囲まれる領域の面積は
\displaystyle\int_a^b f(x)dx
で求められる、と、高校では教わるはずです。しかし、なぜこれで面積が求まるのでしょう ?
そもそも、x-y 平面内の領域*1 D に対して、その面積は
\displaystyle\iint_D dxdy
によって求まる、というのが、実は面積の本当の(?)定義です。すると、冒頭に書いた(閉)領域は
D=\{(x,y)|a\leq x\leq b,0\leq y\leq f(x)\}
で表されますから、この面積は
\displaystyle\iint_D dxdy=\displaystyle\int_a^b dx\displaystyle\int_0^{f(x)}dy=\displaystyle\int_a^b f(x)dx
となって、確かに高校の時に習った事実に一致します。「定積分は面積」という考えは、この事実から来ているのです。
では、そもそも、なぜ
\displaystyle\iint_D dxdy
で D の面積が求まるのか ? それは大学生になって「測度」の概念を学ぶことによって知ることが出来ます。

*1:単に「領域」と言うときは、通常、連結開集合のことを言います。連結閉集合のことを「閉領域」ということもあります。