Euler 数

多様体には、「Euler 数」と呼ばれる一種の不変量が定義できます。例えば n 次元球面S^nの Euler 数は1+(-1)^nとなることがわかっています。従って、n が奇数ならば、Euler 数は 0 になります。一方で球面S^2の Euler 数は 2 になりますが、皆さんは、正多面体等で

(頂点の数) - (辺の数) + (面の数)

を計算すると必ず 2 になるという、不思議な現象を味わったことはないでしょうか。それは、多面体が位相的にはS^2に同相であることから来ているのです。
ところで、本当にすごいのはここからです。M を奇数次元の多様体とすると、M の Euler 数は必ず 0 になってしまうのです ! 私は、昔トポロジーを勉強していてこの事実を知り、非常に驚きました。数学において、奇数というのは何か特別な存在なのかもしれません。