射影平面(その 1)

以前、Affine 平面を話題に取り上げましたが、今回はその拡張である射影平面を取り上げることにします。

射影平面の公理

公理 1

異なる 2 点を通る直線はただ一つ存在する.

公理 2

異なる 2 直線は必ず交わる.

公理 3

同一直線上にない 3 点が存在する.

公理 4

直線は少なくとも 3 点以上を含む.

このうち、公理 1 と公理 3 は、Affine 平面の公理 1 と公理 3 と全く同じものです。公理 2 は Affine 平面の公理 2 に代わるものです。公理 4 はあまりに単純なケースを省くためのものです。

これらの公理を満たすものを一つ挙げておきます。3 次元 Euclid 空間の原点を通る平面を「直線」として、同じく 3 次元 Euclid 空間の原点を通る直線を「点」として考えてみましょう*1

  1. 異なる 2「点」を通る「直線」はただ一つ存在する
  2. 異なる 2「直線」は必ず交わる
  3. 同一「直線」上にない 3「点」が存在する
  4. 「直線」は少なくとも 3「点」以上を含む

ことが確認できるはずです。これは P^2(\mathbf{R}) と表されるものです。

次回は、Affine 平面を拡張して射影平面を作る方法を紹介します。

*1:公理さえ満たせば「直線」「点」は何であっても良いことに注意しましょう。