距離空間から位相空間へ(その 4)

位相空間における内部と閉包

位相空間 X の任意の部分集合 M は必ず \emptyset なる開集合を含みます。したがって、M に含まれるありとあらゆる開集合の和集合というものを考えることができます。これが M に含まれる最大の開集合であることは異論がないでしょう。これを M の内部(開核)と言い、M^\circ で表します。距離空間における内部と同じ性質が、位相空間でも成り立ちます。
同様に、M は必ず X なる閉集合に含まれていますから、M を含むありとあらゆる閉集合の共通部分というものを考えることもできます。これが M を含む最小の閉集合であることも異論がないでしょう。これを M の閉包と言い、\bar{M} で表します。距離空間における閉包と同じ性質が、位相空間でもやはり成り立ちます。